屋根工事ブログ

投稿日:2019年8月2日  更新日:2025年12月26日

下地調整の重要なポイント5 縁切り作業

屋根の塗装の中でもカラーベストやコロニアルと呼ばれるスレートの塗装では「縁切り」という工程があります。基本的に他の屋根や外壁と塗装工程にあまり違いはありませんが、「縁切り」がされているかどうかは大きく違います。

【スレートの塗装】
1:下地処理
2:下塗り
3:縁切り(タスペーサーを用いる場合)
4:中塗り〜上塗り

屋根塗装の流れについてはこちらから

「縁切り」という言葉はあまり馴染みがないかもしれません。しかし、スレートを塗装する上で「縁切り」はぜひ押さえていただきた用語です。

こちらではスレート塗装で行う「縁切り」について詳しく解説いたします。

縁切り作業とは?

下地調整の重要なポイント5 縁切り作業

「縁切り」とは、塗装後のスレートの継ぎ目に隙間を確保する作業のことです。スレートは軒先から棟に向かって一枚ずつ重ねて葺いてあります。スレートが重なるところには隙間ができ、これが通気性の確保やスレート内に流れた水の抜け道となっています。

つまり「縁切り」はもともと屋根が持つ通気性や水の抜け道を塗装後でも保てるように行う作業ということになります。

塗装はスレートの他にセメント瓦や金属屋根でも行いますが、「縁切り」はスレートを塗装する時のみに行います。スレートは他の屋根材と比べて隙間が狭く塗膜によって隙間を塞いでしまうためです。

それでは次に縁切りをしないとどうなってしまうのかお話しします。

縁切りをしないとどうなる?

下地調整の重要なポイント5 縁切り作業

「縁切り」は塗装後の密閉を防ぐことが目的です。縁切りしなかったスレートは水が抜けなくなり、劣化を早めるどころから雨漏りへと被害を大きくさせます

また、毛細管現象にも気をつけなければなりません。毛細管現象とは細い管または隙間などの中を液体が重力にさからって上昇または下降する物理現象のことです。スレートでいえば、スレートが重なっている継ぎ目の隙間のところで毛細管現象が発生します。

塗装後に塗膜で完全に密閉されていれば内部に水が流れ込むことはありません。ですが、塗装は密閉させることが目的ではありませんから、完全に隙間を閉じてしまうことはあり得ません。かならず隙間が生じ、そこで毛細管現象が発生して、スレート内に水が溜まるようになります。

また、スレート内に水が溜まるようになると温度差も生じて結露が起こります。その他にも通気性が悪くなり湿気がこもることも劣化を促進させ、雨漏りを引き起こすリスクを高めます。

「縁切り」は、塗装後のスレートの状態を保ち、雨漏りを予防する非常に重要な工程となります。これからスレートの塗装をご計画されている方は、かならず「縁切り」の項目をチェックしましょう

縁切りについてはこちらの「屋根塗装をするなら絶対に知っておきたい「縁切り」について」もぜひご参考にしてください。

タスペーサーの役割は?

 
 
 
「縁切り」には以下の二つの方法があります。

・塗装後にカッターなどで塗膜を切り込む方法
・タスペーサーを用いて縁切りを行う方法

現在では施工性が安定しているタスペーサーを用いるのが一般的です。タスペーサーとは上の写真にあるポリカーボネート製の板のことです。厚みが2mmほど、サイズは4〜5cmくらいで、スレート一枚に対して両端に一枚ずつ差し込みます(スレート幅900mmの場合)。タスペーサーの厚み分、スレートが浮き上がり、塗装後でも隙間を確保できます。

タスペーサーの強みは塗装の仕上げ前に「縁切り」を行えることです。従来のカッターで塗膜を切り込み隙間を確保する方法は、せっかく塗装できれいになった屋根の上を移動しながら縁切りを行うため、不要な傷や汚れをつけてしまうリスクがありました。タスペーサーなら屋根を傷つける心配がありません。

また、タスペーサーは精度も安定しています。塗膜は熱で伸び縮みしますので、カッターで塗膜を切り込んでもその後に塗膜が膨張すると隙間をふさいでしまいます。タスペーサーのサイズが大きく変わることはありませんので、塗装後も安全に機能してくれます。

タスペーサーについてはこちらの「タスペーサーの重要性 ~雨漏りから屋根を守る、タスペーサーとは」で詳しく解説しております。

正しく縁切りがされているか確かめましょう!

スレートを塗装する上で「縁切り」は欠かせない工程です。塗装後の雨漏りを予防する大事な工程となりますので、これからスレート塗装をご計画されている方は、かならず「縁切り」の項目をチェックしてください。

また、スレートの塗装はお客様からどんな作業しているか見えにくい工事です。お客様から見えにくいことをいいことに手抜きをする杜撰な業者も残念ながらいます。縁切りは雨漏りへと被害を大きくさせてしまう可能性がありますので、手抜きをされてしまわないように、よく業者を見極めることが大事です。

LOHASではお客様が安心して工事をまかせていただけるように、毎日の作業報告や工事写真のお渡し、工事後のアフターフォローなどを徹底しております。建物診断や見積もりは無料で実施しておりますので、これからスレートの塗装をお考えの方は、ぜひ当店におまかせください!

無料診断はこちらの「屋根・外壁0円診断」をご覧ください。

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