建物に用いられる塗料は性能向上のためつねに進化し、どんどん良い製品が出ております。
塗装は建物を保護するために重要な役割があり、現在のニーズに応えるためにさまざまな性能を持つ塗料が用意されています。
塗装工事に使う塗料はプロ用のものを使いますので、ホームセンターやネットショプなどで手軽に入手ができる訳ではありません。
また、製品の特徴や違いなども専門的なことが含まれるため、どんな塗料なのか調べるのも一苦労かと思います。
そこで今回はこれから外壁や屋根の塗装をご検討している方がどんな塗料を選べばいいか、塗料の種類やその違い、おすすめの塗料などを解説していきたいと思います。
【塗料の種類と耐用年数】
まず建物に使う塗料とはどんな構成なのかを確認しましょう。
塗料の構成は以下になります。
「樹脂+顔料+添加剤+希釈剤」
建物に使う塗料は樹脂が配合されており、塗装の時は塗りやすくするために希釈剤で液体にします。
希釈剤には「シンナーで希釈する2液型(溶剤系)」と「水で希釈する水性」があります。
現在は塗料の臭い対策と環境配慮のために水性塗料を使うことが多くなりました。
添加剤は塗料に付帯する性能のことで、防カビ性、防藻性、低汚染性などがあり、塗料によってその性能はさまざまです。
塗料の違いは主に配合する樹脂の種類で、耐用年数やコストが異なります。
以下に塗料の種類をまとめましたのでご覧ください。
塗料の種類 | 耐用年数 | 特徴 |
アクリル塗料 | 5〜7年 |
アクリル樹脂を配合した塗料で、安価で発色が優れています。 しかし、耐久性は難があり現在では屋外に使われることはほとんどなく屋内に用いられることが多いです。 |
ウレタン塗料 | 7〜10年 |
ウレタン樹脂配合の塗料。 汎用性があり、シリコン塗料が普及する前の主流塗料でした。 現在ではシリコン塗料の価格差がなくなり、使用する機会が少なくなりました。 |
シリコン塗料 | 10〜15年 |
現在主流となっているシリコン樹脂を配合した塗料。 性能と価格のバランスに優れるとてもコストパフォーマンの良い特徴があります。 |
フッ素塗料 | 15年〜 |
非常に優れた耐候性を有するフッ素樹脂を配合した塗料。 まだ住宅まで普及が進んでないため、価格は高めです。 しかし、耐久性の高さから公共建築によく用いられています。 |
ラジカル制御式塗料 | 13〜16年 |
近年出てきた塗料で、フッ素樹脂を凌ぐほどの耐候性に優れた塗料もあります。 ラジカルとは塗料を劣化させる因子のことで、ラジカルの発生を防ぐ性能があります。 |
無機系塗料 | 15〜25年 |
有機塗料は太陽の紫外線などが原因して経年劣化してきますが、無機成分を主体とする無機塗料は紫外線に強く耐久性に優れています。 色褪せが起こりにくいため外壁や屋根の色も変色しにくく、長く美観を保持することができます。 |
クリアー塗料 | 10〜12年 |
顔料を含まない無色透明の塗料です。 配合されている樹脂はアクリルシリコンが一般的です。 柄を損なうことなく塗装ができますのでサイディングのような意匠性に優れる外壁材におすすめです。 |
遮熱・断熱塗料 | 10〜12年 |
遮熱性や断熱性の機能を持った塗料。 太陽光に含まれる赤外線は熱を吸収して温度上昇の要因になります。 断熱塗料や遮熱塗料は外からの熱に対して耐性がありますので、省エネ、電気代の節約、室温改善などの効果を得ることができます。 |
【外壁・屋根塗装のおすすめの塗料】
数々ある塗料の中でどれを選んだらいいか迷ってしまうかもしれません。
ここではおすすめの塗料をご紹介していきたいと思います。
【主流な塗料はシリコン】
コストパフォーマンスを重視するのなら現在主流のシリコン塗料がおすすめです。
耐用年数も10年以上とメンテナンスサイクルも長いです。
よく塗装は10年周期が目安と言われるのは、シリコン塗料が主流になる前のウレタン塗料の耐用年数を元にしていたからです。
現在ではウレタン塗料よりも耐用年数の長いシリコン塗料が主流となっておりますので、一般的に言われている10年よりも長く保たせることができます。
※建物の状態や素材、環境によって劣化の仕方は変わりますので、10年ほどを目安に点検は実施することをおすすめします。
当社は無料で建物診断を行なっておりますので、メンテナンスをお考えの方はぜひご利用ください。
無料診断についてはこちらの「屋根・外壁0円診断」をご覧ください。
【メンテナスサイクルが長いラジカル制御式塗料】
ラジカル制御式塗料は太陽の紫外線によって発生するラジカル(劣化因子)の発生を防ぎ、優れた耐候性を有しているため、メンテナンスサイクルが長くなっています。
メンテナンスサイクルが長くなることのメリットは、塗り替えのトータルコストを低減できることです。
将来的に必要になる塗装の期間を30年として、耐用年数が10年の塗料と15年の塗料で比較してみましょう。
【耐用年数が10年の塗料】 | 【耐用年数が15年の塗料】 | |
塗り替えサイクル |
10年目に塗装 20年目に塗装 30年目に塗装 |
15年目に塗装 30年目に塗装 |
将来的に必要な塗装回数 | 3回 | 2回 |
塗料の価格差はありますが、足場を3回設置するのと2回設置するのとでは15〜25万円ほどの差があります。(建物の規模や形状など足場の設置面積によって足場代は変わります)
また、工事期間中は職人の出入りや作業音など普段とは違う生活になり気疲れしやすいため、工事回数が減ることでストレスの負担も軽減できます。
予算もあるかと思いますが、塗装工事をするときは1回の工事代で判断せずに将来的に必要になる工事のことも考慮してご計画を立てていくことが大切です。
気になることやお困りのことがございましたらご相談にのりますのでお気軽にお声がけください。
【夏の暑い時期におすすめな遮熱塗料】
屋根は太陽の熱を吸収してかなりの温度になります。
屋根の表面温度が60℃以上も上がることがありますので、その熱が室内にまで影響してしまうことがあります。
夏になると部屋が暑くてしょうがないという方は、熱吸収を抑制する遮熱塗料がおすすめです。
遮熱塗料は太陽光に含まれる近赤外線を効率良く反射し、温度が上がりにくくなります。
遮熱塗装をすることで、温度上昇の抑制と室温改善、エアコン使用負荷の低減による電気代の節約などの省エネ効果を得ることができます。
エアコンの温度を下げてもなかなか部屋が涼しくならない場合は遮熱塗装で改善できるかもしれませんので、ぜひご検討してみてください。
【メンテナンス工事をお考えの方はお気軽にご相談ください!】
建物のメンテナンスは状態に応じて適切な工事をすることが大切です。
まだ痛んでいないのに工事をしてしまうのは余計なコストをかけているようなものですから、メンテナンスを考えている方はまず建物診断を実施して建物の状態や必要なメンテナンスを調べてもらいましょう。
当社も無料で建物診断を行なっておりますので、メンテナンスの際はぜひご利用ください。
工事で使用する塗料もグレードが高ければいいというものではなく、建物に適した性能を持つ塗料を選ぶことが大切です。
塗装はそう簡単にやり直しがきく工事ではありませんから、失敗しないように依頼する業者とよく打ち合わせを行ってメンテナンスをしましょう!
メンテナンス工事をご検討している方はこちらの「メンテナンスのタイミングを見逃さない!外壁と屋根の劣化症状は?」もご覧ください。
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