屋根工事ブログ

投稿日:2024年11月30日

屋根塗装をするなら絶対に知っておきたい「縁切り」について

これから屋根塗装をされる方は、絶対に知っておいていただきたい用語が「縁切り」です。
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、屋根材のスレートを塗装するときに無視できないのが「縁切り」です。

縁切りとは、スレートの継ぎ目に隙間をつくる作業のことです。
塗装すると塗膜で継ぎ目を塞いでしまい、侵入した雨水が内部で溜まってしまいます。

雨漏りを引き起こす原因であり、それを防ぐのがこの「縁切り」です。
塗装の品質だけでなく、今後の屋根の状態にも関わる重要な工程ですので、これから屋根塗装をお考えの方は、「縁切り」について理解を深めておきましょう!

本記事では、縁切りについて押さえておいていただきたい大事なポイントを解説いたします。

どうしてスレートの塗装で縁切りが欠かせないのか?

屋根塗装をするなら絶対に知っておきたい「縁切り」について

スレート(コロニアル、カラーベスト、セメント瓦などの呼び名もあります)は、軒先から棟に向かって葺いています。
もう少しわかりやすく説明すると、傾斜の下側から上がる方向に向かってスレートを一枚ずつ張っています。

上段にくるスレートは下段のスレートの半分くらいのところで重ねています。
この重ね目のところは完全に密閉されているわけではなく、隙間が生じます。

隙間があると雨が入ってしまうと心配されるかもしれませんが、ルーフィングが敷かれていますので、雨水が内部に流れてもルーフィングの上を通り、深部まで浸透してくることはありません。

屋根材の下に流れた雨水はルーフィングの上を流れ、屋根材の重ね目にできる隙間からでていきます。
つまり、屋根材の継ぎ目にある隙間は、内部に侵入した雨水を逃がすためにあります。

また、屋根は太陽の影響を強く受け、熱がこもりやすい環境です。
もし、水分が残る状態だと湿気や結露によりルーフィングや野路板などの劣化をはやめてしまうでしょう。
このことから、屋根材の継ぎ目にある隙間は、湿気や熱のこもりを防ぐために、通気する役割もあるということです。

スレートの塗装で縁切りが絶対に外せない理由は、スレートの継ぎ目にある隙間がもつ「侵入した雨水を外側に逃がす」「湿気や熱がこもらないように通気をとる」の2つの役割を確保するためです。

スレートの継ぎ目にある隙間を確保するとは?

屋根塗装をするなら絶対に知っておきたい「縁切り」について

スレートの継ぎ目にある隙間は「侵入した雨水を外側に逃がす」「湿気や熱がこもらないように通気をとる」の2つの役割があることを前述しました。
必要な隙間ですので、塗装後も確保していなければなりません。

しかし、塗装すると塗膜が継ぎ目を塞いでしまうため、侵入した雨水や湿気は外に逃げにくくなります。
そこで問題を解消するのが「縁切り」です。

縁切りは塗装後の密閉を防ぐ作業

縁切りは塗膜による密閉を防ぐために行います。
縁切りはこちらの2つの方法があります。

① カッターや皮すきで塗膜を切り込む
② タスペーサーを使用する

いまでは施工が容易なことからタスペーサーを用いるのが主流です。
しかし、施工状況などにもよりますので、かならず屋根の状態を調べてから適切な施工方法を検討します。

① カッターや皮すきで塗膜を切り込む

タスペーサーが登場する以前は、塗装した後にカッターや皮すきを使って塗膜に切り込みをいれて隙間を設けていました。
いまでも用いる施工方法ですが、人の手で一枚ずつ手をいれるため、手間や時間がかかります。

また、屋根が仕上がった後に縁切りを行うため、せっかくきれいになった屋根を傷つけたり、汚したりする問題があり、縁切りを終えた後にもう一度手直しする手間もあります。
塗膜は伸縮性がありますので、縁切りした後に塗膜が伸びて隙間を塞ぐといった精度の不安定さもあります。

② タスペーサーを使用する

カッターや皮すきを使った従来の縁切りにある問題を改善するのが「タスペーサー」です。
タスペーサーは、幅4〜5cm、厚さ2mmほどのポリカーボネート製の縁切り部材です。

スレートの継ぎ目にタスペーサーを差し込むだけと取り付けがとても簡単で、設置に時間がかからず、工期も短縮できます。

タスペーサーを差し込むことで、その厚さ分スレートが浮き上がり隙間を確保できて精度も安定しています。
いまでは縁切りにタスペーサーを用いるのが一般的です。

見積もりでは、縁切りをどの方法で行うかまで具体的に記載していないかもしれません。
もし、縁切りについて記載がない場合は、タスペーサーを使用するのか縁切り方法を確認しておくことをおすすめします。

縁切りとは?絶対に押さえておきたい大事なポイント

屋根塗装をするなら絶対に知っておきたい「縁切り」について

ここまで縁切りについて解説してきました。
縁切りが必要なのはスレートを塗装するときです。

スレートの継ぎ目にある隙間を塗装後も確保することが目的にあります。
縁切りは「① カッターや皮すきで塗膜を切り込む」「② タスペーサーを使用する」の2つの方法があります。
縁切り方法は屋根の状況などで変わってくるため、必ずどのように縁切りをするのか確認が必要です。

屋根工事は目視できません。
手抜きをする杜撰な業者も残念ながらいますので、トラブルにあわないために、慎重に業者をお選びください。

また、各工程を確認できるように施工写真を撮ってもらいましょう。
縁切りは屋根からの雨漏りにも関わる重要な工程です。
適切な施工が行われているか、施工写真で確認できるようにしておきましょう。

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